弊社の優秀な営業マンによるキラーコンテンツをふんだんに盛り込んだコラムをよそに
ちょっと肩肘をついて気楽に読んでもらえると幸いです。
弊社の商材として「能書」「添付文書」というアイテムがある。特に「添付文書」というアイテムは品質という点ついては特に厳しい面を持ち合わせています。
・生体由来の異物混入不可
髪の毛とか血痕とかあったら…「致命欠点」のお墨付きをもらう。弊社においても、「製
本」工程においては手袋、着帽、ユニフォームを着用して作業を行っています。
・員数(数量)過不足厳禁
添付文書を1個おまけで納品しちゃえ…なんてことをしたら、製薬会社の製造ラインがストップしてしまい、損害賠償に発展する可能性も!弊社もこの対策としてレーザーによる員数機で数を計数しています。段ボール詰めの際に入り数も間違えないようにするため箱単位で重さを計って検査しています。
・手順と記録の厳格化
用紙の搬入から定められた手順に従って作業を行い、出荷までの記録を取り保管する。
弊社においても、こんな感じで工場サイドもかなり神経をとがらせて生産を行っています。
この様に品質に厳しいアイテムはお客様の品質保証の方々がご来社されることが度々あります。いわゆる「監査」という形式か「問題が発生した時」だ…
今回はそんな「品質保証」と「添付文書」について話を進めていこうと思います。
1.印刷会社の品質保証の人ってどんな人?
私の考える品質保証の人とは(以下愛情を込めて品証と略)…普段の業務から一線を画している監査役とか監事という単語が思い浮かぶ。
地方行政における監査委員、会社の監査役、もっと身近にいうとマンション管理組合の監事を思いつく。地方自治体の事務執行に関するチェック!取締役の業務執行にチェック!マンション管理組合の業務執行や財産状況をチェック!…チェックマンだ!
印刷会社の品証の人たちはプロセス(手順)を重視しており、通常業務を執行している我々を常に冷徹にチェックしている方が品証の人だと考えてもらっても間違えないと思います。だから我々と常に相反する間柄(煙たい存在)といえます。幸いなことに弊社に品質保証部という部署はありません。
2.品質保証と品質管理
品質保証と品質管理は一見似ている言葉ですが定義を見てみると違いが判ります。
品質保証ですが定義的には「製品の品質を保証すること」を指します。
製造する製品に品質基準を定めており、これを満たすように製造業務を行っています
品質保証は、製品の品質基準を満たしているか確認したり、出荷後の製品の品質を保証したりすることが主な業務となります。
品質管理とは、「製品の品質を管理する仕事」のことを指します。品質管理とは、製造で作られた製品の品質が確かなものであることを検査で検証し、問題ないということを判断するための一連の工程を管理することです。これが、品質管理の担当者に求められる仕事になります。弊社においても優秀な品質管理担当が存在します。
確かな品質をつくり込むために、具体的に下記の様なことを行っています。
・確かな手順で仕事がされるように作業手順の標準化と見直し
・確かな品質を作り込める人を育成するための教育訓練
・設備能力を維持するための管理
3.ISOの限界 (ISO VS GMP)
印刷会社は直接製薬会社様と取引する場合には、製薬会社から定期的に監査を受けます。
これが大変厳しい監査となります。弊社は直接製薬会社様と直接の取引はありません
が過去に製薬会社の監査担当が来社され監査を私も実際に受けた経験があります。
なぜ厳しいのか?それは、 製薬業界における品質基準と製造業の品質の基準となるモノサシが違うからです。具体的には、GMP(Good Manufacturing Practice)とISO9001の基準の違いです。
印刷会社の品証は製薬会社の品質要望に応えるためGMPの基準をISO9001の基準に置き換えてどう解釈して運用して、要求されている品質基準を満足させるかについて日々試 行錯誤を繰り返しています。
また、製薬会社様は法律の定めた基準(GMP)で生産しなければならないのに対して印刷会社の基準(ISO)はあくまでも取得は任意。このあたりに印刷会社の製薬会社様の案件の対応に限界があると考えています。また、薬事法が近年改正されて医療従事者向けの医薬品には添付文書を同梱する必要がなくなったことも限界の理由に拍車をかけている要因となっていると感じます。 ※市販品の薬品には添付文書の同梱が義務付けされています。
添付文書の電子化について | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
GMP省令をわかりやすく!省令の概要と今後の改正について解説
ISO離れはなぜ起きるのか?原因と対策を徹底解説 | ISOナビ
4.最後に
医薬品の添付文書の電子化に伴う印刷業界のダメージは確かにあります。弊社においても例外ではありません。しかし、弊社も製薬業界の案件を取り込んだことで「品質」という他の印刷会社とは差別化を図る上でかけがえのない財産を手に入れることができたと考えています。
文;齋藤 良憲